昨年2018年10月23日を振り返る。一連の懲戒請求事件の初判決があった。
在日コリアンであることを理由に不当な懲戒請求をされ名誉を傷つけられたとして、金竜介弁護士(東京弁護士会)が、懲戒請求した男性を相手取り、計55万円の慰謝料等をもとめた訴訟の判決が東京地裁であった。金弁護士側の主張はみとめられ、男性に対して計33万円の支払いを命じる判決を下された。一審全面勝訴である。
この裁判は現在互いに控訴して争われている。
男性は2017年11月、朝鮮学校への補助金交付をもとめる東京弁護士会の声明を「確信的犯罪行為である」などとして、金弁護士ら18人の弁護士に対して懲戒請求をおこなった。
すでに東京弁護士会は2018年4月金弁護士らを懲戒しないと決定している。
金弁護士は男性を相手取り、損害賠償をもとめる訴訟を7月に起こした。
男性は口頭弁論期日に出廷せず、答弁書なども提出しなかった。審理はあっさり終了。この男性がなぜこのような対応をとったのかわかっていない。これで勝てると思っていたのか、誰かの指令なのか。
東京地裁は、金弁護士が東京弁護士会の役員でなく、会長声明に関わっていなかったこと、在日コリアンを理由に懲戒請求の対象者となったと認められるとした。
弁護士に対する懲戒請求は、2016年の東京弁護士会などの朝鮮人学校無償化を求める声明に反発していた「余命三年時事日記」というブログが発端となっていた。なぜかブログ主は2013年の最初の日本弁護し連合会(日弁連)の会長声明ではアクションを起していない。
金弁護士はこの男性以外の懲戒請求者も提訴しているが、他の懲戒請求者は答弁書を提出しており、現在は裁判が長引く傾向となっている。