みやけ雪子タイトル

2016年04月11日

三宅雪子ツイキャスインタビュー文字起こし(2015年3月19日配信)⑥ POSSE 代表今野晴貴さん

続きです。

(三宅)
そうですよね。以前みたいに会社は「従業員は家族だ」とか「育てていこう」とか、そういう概念が本当になくなっているように思いますし、また今、大学で文系をなくして即戦力のある学生を育てようというような動きもあるじゃないですか。「L字型」ですか。言わば、会社に入って教わるようなこと、もう「即戦力のある学生が欲しいんだ」ということで、私は文学部でしたけど、シェークスピアだの何だのって学んだ人よりも、それはもちろんいきなりExcelでも何でも全部使いこなせて即戦力のある人が企業は欲しいんでしょうけれども、大学はいわゆる就職訓練校みたいになっていく動きとか、ちょっと残念なんですけどね。

(今野)
そうですね。これ、すごく難しいところなんですね。大学は、多分4年間就職活動をさせるような場所になってきている。

(三宅)
今、そうですよね。

(今野)
ただ一方で大事なのは、ある種の職業能力を学校で身につけることが、逆にキャリアを学校の方で守ってあげるということにもつながり得るんですよ。今のキャリア教育のやり方がその方向に行ってるというわけではもちろんないんですが。、大切なことは、職業教育をどういうふうに学生が、将来社会に出た時に「自分はこの仕事ができますよ」というふうに自己主張できるような、そういう中身のあるものにしていくのかということだと思うんですね。

(三宅)
だから、やり方次第では決して悪いものではないということですよね。

(今野)
そうですね。

(三宅)
でも、本当にこの後、入管法も変わって外国人の方々がこれからどんどん入ってくるということもありまして、労働環境はますます心配になってくるわけなんですけれども。今でさえ悪いところがこれから本当にどうなっていくのかというところで、政府が、本当に雇用に関しては何を目指しているのか、もちろん企業の要望を聞いてるんだと思いますけど、結局のところそれは自分たちの首を絞めることになるわけですが、もう本当にこの雇用だけは「何を考えているのかな」と思いますね。

(今野)
そうですね。首を切りやすくして、しかも定額使い放題にするわけですから、どうやって将来に普通の人たちがビジョンを持っていけばいいのかということが、本当にわからない時代になってきてるんだろうと思うんですよね。

(三宅)
それでいて、「少子高齢化を防ぐ」とか「女性を輝く時代にする」とか、いろいろ矛盾を感じるわけなんですけれども、「年収400万なんて夢のまた夢」という感じの状況で今あるわけなんですけれども。格差の問題が本当に今問題になっておりますけれども、企業間の中でも経営者と社員の給与格差というか収入格差というものも問題だと思いますし、これ結局、やっぱり下がっていく一方なんですかね?

(今野)
だから、政策的に大事になってくるのは、「最低賃金の引き上げ」と「労働時間と賃金の関係を明確にするということ」ですね。ここの部分は、もう完全に今の政府の方向と逆なんですが、どんどん曖昧にしていってるわけです。「何時間働いていくらなのか」というのをどんどんどんどん曖昧にして、「とにかく貢献しろ」とか【「とにかく目標と成果を出せ」と。でもその目標も成果もどこまでかわからない。これずっと日本にある問題です。そうすると、やはり最低賃金を引き上げると同時に、「何時間分でいくらなのかということをもっとしっかりと求人に書かなければならない」とか、こういうことを徹底していくということが大事になってくるんじゃないかと思うんですね。

に今、固定残業制というのはすごくんです。もともと最低賃金が低いので、例えば月給を25万円とか30万円というふうにしてしまうと、「残業代をそこに含めましたよ」という形式をとると、百時間とか百何十時間で残業が合法に命令できてしまうんですよ。事実上のホワイトカラーエグゼンプション。中堅ぐらいの会社でもよく出てきます。例えば「15万円基本給で15万円残業代」というような労働契約。そうすると百何十時間分入ってるわけです。1時間あたり最低賃金。で、さっき申し上げたように、リクナビとかマイナビでそれはもう「月給30万」ということで募集がかかっているんですよ。こういうことが横行してると、それはもうたくさん死ぬし鬱になるということで、とにかくこの時間と賃金の関係をはっきりさせる。求人のところでごまかしを絶対させない。まずこれが一歩になっていくんじゃないかなと私は思ってますね。

給料はいくらですか」とか職場環境とか含めて、何となく聞くのが相手の印象を悪くするっていう。あと、聞く人はおそらく就職の面接で不利になると思うんですけれども、そういう当たり前のことが当たり前に聞けない雰囲気っていうのもありますよね?

(今野)
はい。

(三宅)
「入ってみて初めていくらかわかる」みたいなところもありますし。一応書いてあっても実際のところは残業はどうなのかとかそういうことが全くわからずに入って、入ってみたら私はたまたまいい会社というか、そういう意味では働いた分だけはお給料が出る会社だったんですけれども、「入ってみないとわからない」っていうところもありますよね?

(今野)
本当にその通りです。

(三宅)
やっぱりあれですか? 自分の身を守るためには、先輩方の話を聞いたりとか調べたりとかしながら、福利厚生を含めて、またそういう労働環境を含めていい所をきちっと探していくっていう、目先のお給料ではなくてってことですかね?

(今野)
そうですね。あと、契約書をしっかり出している会社と出していない会社でちがう。やっぱり違法な傾向のある会社というかブラック企業は、きっちりとした情報公開をしてないという場合が多いんですよ。契約書も結んでなかったりとかですね。だから、やっぱりその労働条件の明示をやってしまうと、なかなか「嘘でした」とやりにくいということがあって、その情報公開についてあるいは契約の中身をちゃんと明示して書面を作らなければならないということに関して、取り締まりを強めるだけで、それなりに効果はあると思うんですね。

だから、本人から聞くことが難しかったり本人もよくわらかないままになっているようなことを、やっぱり国がしっかりガイドラインを作るべきです。企業に「契約の中身をはっきりしなさい」という当たり前過ぎる話なので、それに反対する人は、いないはずです。ですから、もっともっと「契約の中身をちゃんと公開しなさい」あるいは「ちゃんと契約書を厳密な形で作りなさい」というようなことを徹底させるだけでも、多分大半効果があるんじゃないかなというふうに思います。
給料はいくらですか」とか職場環境とか含めて、何となく聞くのが相手の印象を悪くするっていう。あと、聞く人はおそらく就職の面接で不利になると思うんですけれども、そういう当たり前のことが当たり前に聞けない雰囲気っていうのもありますよね?

(今野)
はい。

(三宅)
「入ってみて初めていくらかわかる」みたいなところもありますし。一応書いてあっても実際のところは残業はどうなのかとかそういうことが全くわからずに入って、入ってみたら私はたまたまいい会社というか、そういう意味では働いた分だけはお給料が出る会社だったんですけれども、「入ってみないとわからない」っていうところもありますよね?

⑦に続く

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