三宅)
皆さま、こんばんは。「三宅雪子ツイキャスナイト」ということで、本日もお届けいたします。今日のゲストは、NPO法人POSSEの代表をされてます、今野晴貴さん。今野晴貴さんにお電話がつながっております。
今野さんは、若者の労働問題とか貧困問題に熱心に取り組まれている方でいらっしゃいまして、私もこの『POSSE』に一度寄稿させていただいたことがあります。その今野さんに今日は、「ブラック企業」とか「ブラックバイト」を含めて、現在の労働問題についてお話をお伺いしたいというふうに思っております。では、もうすでに今野さんにお待ちいただいておりますので、今野さんのお話を伺いたいと思います。今野さん、こんばんは。
(今野)
こんばんは。
(三宅)
今日は本当にありがとうございます、突然にお誘いいたしまして。ありがとうございます。ということで、POSSEでもお世話になったんですけれども、いつも本当にいろんな場所でブラック企業が今本当に問題になっておりますけれども、またブラックバイトということで活動されているわけなんですが、まずこういう方々の問題について、今日はじっくりとお話を伺いたいなというふうに思っております。
(今野)
はい。
(三宅)
まず、やっぱり誰しもが不思議に思うのが、「なぜブラック企業に入ってしまうのか」「なぜブラックバイトをしてしまうのか」。そして「なぜ辞めないのか」というところが、疑問に思う方もいらっしゃると思うんですけれども、この辺からお話を伺わせていただけますでしょうか?
(今野)
そうですね。まず、ブラック企業が実際にこれだけいろいろ話題になっているんですけれども、まだまだ伝わっていないところもあると思いますので、その辺を今日ちょっとおさらいしながら、そういう話をしてまいりたいと思います。ブラック企業というのは、よく「違法なことをしている企業」というふうに考えてらっしゃる方が多いと思うんですね。
(三宅)
そうですね。
(今野)
確かに違法なことをする企業が多いんですけれども、実は単に違法だというだけではちょっとわかんなくなってしまうこともあるんです。というのは何でかと言うと、日本企業は多くの場合、ほとんどみんな違法行為をしているんですね。例えば残業代を払わないとか産休を取らせないとか、ある種まともだと言われるような大企業でもしょっちゅう行っているわけです。そういうのを全部「ブラック」と言ってしまうと、何が「ブラック」なのかよくわからなくなってしまうわけですよね。
私が、インターネットで流行っていた「ブラック企業」という言葉の背景を分析して本を書いて、それがベストセラーになったわけですけれども、「ブラック企業って今までの違法行為と何が違うのか」が重要です。端的に言うと、「若者を正社員としてたくさん雇うんですけれども、到底働き続けることができないような労務管理を行っている企業」ということです。
(三宅)
それで、やっぱり離職率の高さですかね。
(今野)
そうですね。結果として離職率がものすごく高くなってくるんですが、「何でそんなにたくさん辞めるのか」ということに、ブラック企業の労務管理の問題があるわけです。実はこうした「離職率が高い企業」ってサービス業に多いんです。大企業なんだけれども、新興の急激に成長していった大企業という所に広く見られるんですね。
(三宅)
うーん、なるほど。
②に続く