3月4日(水)「三宅雪子のツイキャスナイト」のインタビュー ③です。
(三宅)
それであの、本当のファクラーさんの最後におっしゃっていたことがとても印象的なんですけれども、孫崎さんとこの本を出すことを決めた理由の一つは、日本のサイレントマジョリティーである、本当サイレントマジョリティーになってしまってますけれども、私は本当たくさんいると思います。
穏健な保守派の人たちと穏健なリベラルな人たちを励まして、日本を覆う現在の暗いムードに対して、声をあげてほしい、そう思ったからですと、まあそのようなことが書いてあって、実は私も本当にですね、そのリベラルの一人であるわけですけれども、私も本当に比較にはなりませんが、こうしたツイキャスの番組といいますか番組形態のものを始めたのも、本当に議席ないながらも何かできないかということで、少しでも何か伝えていこうってことがまあこんなことを始めたきっかけなんですね。
まあ、こういう人たちを励ましてですね、この日本を、現在の暗いムードに声をあげてほしいと思ったっていうこれ本当に最後、最後っていうかね、最後書かれているところで私励まされたわけなんですけれども、あのこの本の中で第何章か分かれているんですが、一番と言いますか読んでほしいところはどこの章になりますでしょうか。
いずれも本当重要な。
(孫崎)
もうたくさんあるんですよね。
あの三宅さんに関係するところでは、小沢一郎はなぜ失脚させられたかっていうところがありますね。
これももう非常にすごい指摘があるんですけれども、マーティン・ファクラーさんというのは、ニュヨークタイムズの支局長ですから、まあアメリカの良心のような人であるわけですよね。
(三宅)
そうですよね、はい。
(孫崎)
私はあの聞いている人たちが孫崎は何を言うかというのはだいたいわかっていると思いますけれども、マーティン・ファクラーさんが今の日本の現状をものすごく怖い、危ないと思っているわけです。
だから、日本は今崖っ淵にあって、ここで行動を取らなければ、日本というのは本当に元に戻れないようなところに来ていると、この認識だと思うんですね。
これを、あのそして、さっきまさにおっしゃったようにこの感覚は多くの日本人が声を出さないけれど思っていることなんですね。
今の安倍政権っていうのはちょっと酷いじゃないかと。
みんな心の中に思っているわけです。
もうマジョリティーはそう思っているわけですね。
それが今、表に出て来ないということで、ファクラーさんはいろんな視点があるんですが、一つは日本の新聞があまりにも酷すぎる、日本の新聞というのは今、最早安倍政権擁護の機関になってしまった。
で、新聞というのは、民主主義の新聞というのは、あの二つの役割があるわけで、一つは政府がどのようなことをやっているかということを伝えること、そして、政府を監視する、この二つの機能があって初めて民主主義の新聞は機能するんだけれども、今、日本の民主主義は、日本の新聞、大手メディアは、政府を監視するという機能を完全に放棄してしまったと、これがジャーナリストの目から見ておかしいではないかと言っている一番大きいポイントの一つですね。
(三宅)
そうですよね、ファクラーさんは、日刊ゲンダイのみがまともな新聞だとなんかおっしゃっているのは今日拝見したんですけれども。
(孫崎)
要するに、こうあるべきだということを、あの現在の、さっきから申し上げているように、新聞の大手メディアの重要な役割は、政府を監視する、おかしいことをしているんではないかということを行うということが民主主義の基本なんですね。
そうすると、それを行っている新聞というのは、今、日本では日刊ゲンダイぐらいしかない、ということで、日刊ゲンダイというのは多分あなたあまりにも酷い女性の問題とかいろんなものがありますから、ちょっと女性の方は手に入れにくい新聞なんですけども、こういうようなところしか、政府を監視する機能を果たしてないということを言っているんですね。
(三宅)
いや、これね、政府と監視というのは本当にこれをやっているかどうかが、先進国のジャーナリズムがきちっと機能してないと先進国と言えないんではないかと思うんですよね。
今、新聞を見たり、ちょっと申し訳ないんですけれどもNHKを見ているとですね、時には予算委員会で問題になったことを敢えて採り上げなかったりですね、むしろ政府与党の擁護機関、もしくは不祥事をできるだけ小さく報道してる機関のようになってしまっているような気がします。
まあ、東京新聞さんは、頑張っているという風に思いますけれども、またね、もちろんその内容によっては、きっちり報道されている場合もあります。
しかし、特に一部メディア2紙ほどはですね、かなり極端に今おっしゃったような政府の監視という役割、本当に重要な役割をこれをもう投げ捨ててしまったんではないかと、これはジャーナリズム離脱行為じゃないかと思うんですが。
(孫崎)
いや、そういうことになってしまったわけです。
もう完全に利用されている、そして利用されているということに疑問を持たない、例えばファクラーさんが書いているのはあの新聞記者は、アメリカの新聞記者は、権力のほうから食事を呼ばれて、35ドル以上だったら自分でお金を払うと言っているんですね。
日本の大手マスコミ、みんな安倍首相に食事に呼ばれると、もう何万円もするようなところに出かけているわけです。
そのときに大手新聞の人たちが言うのは、いや直接会うことによってニュースを本人から聞くことが貢献するんだということを言うんだけれども、その実、懐柔されてしまっている、安倍さんの報道について全く批判することができない人間になってしまっている。
(三宅)
そうですよね、あともう一つは、食事開始の前に、今日の話は完全オフですというようなことを言われると聞いておりますので、もちろん安倍総理の考えを聞いたりですね、することはできると思うんです。
ただ、それをしゃべることは食事をするにあたって、禁じられているやに聞いておりますので、ということは、そこで聞いた話を出せないということですから、それでは食事の意味もないですね。
(孫崎)
この非常に重要なことは、この食事をやっているタイミングを見ると、安倍首相が非常に重要な発言を出すときにやっているんですよね。
(三宅)
そうですね、はい。
(孫崎)
本来はそれに対して、安倍さんが何をやるかということを説明するとともに、それについて評価を合わせて出さなきゃいけないんだけれども、この評価を出すということを、食事に行くということで出来なくなっているわけですね。
(三宅)
私はですね、食事自身は否定するものではないんですけれども、あの今までの私が知る限りですね、歴代の総理もマスコミとは食事をされていましたけれども、これは秘密裏にですね、官邸の中で、私は裏口があるのは承知していますから、だいたいはそういう所から入って、そして食事をして、その食事をした相手というのは次の日の首相動静に出なかったものなんですよね。
私が思うにですね、総理は非常に目立つ場所で、敢えて首相動静に名前が出るように食事をされている、私、このことは、ご自分の力を、本当に言いかた申し訳ないんですけれども、むしろ見せつけているように私は見えるんですね。
自分はこれだけのマスコミを押さえているんだということを、トップの、しかもマスコミのトップの方々ですから、その下にいる記者さんたちはいますよね、この記者さんたちの中には、やっぱ気概がある方もいらっしゃいますよ。
その方々がどんな記事を書いても、やはりデスクでタイトルも変わり、見出しも変わり、中身も変わりとなってしまうところもあると思います。
ですから、私はマスコミのね、記者さんも含めて否定するつもりはないんですけれども、ただあの敢えて、官邸の中ではなくてですね、敢えて外で目立つ場所で名前が首相動静に出るように食事をしているということは、私は権力の誇示ではないかという風に見ているんですけれども。
④へ続く