みやけ雪子タイトル

2019年06月10日

(6月7日こわいものしらずから)寄稿「共生・共走マラソン」

大阪で5月26日に開催された「共生・共走マラソン」について、弁護士ランナーのよしおかさんに寄稿してもらいました。

新緑が眩しい花博記念公園。ゲスト出演の高石ともやさんの軽快なフォークソングが聞こえて来る。僕の横を走っているそうちゃんが、タスキを握ったまま「もう1周走る!」と言った。そうちゃんの脚はまだまだ軽快だ。

知的障がい者の伴走として初めて参加した共生・共走リレーマラソン(http://www.kyousei-marathon.com/ )。この大会は、障がいの有無にかかわらず、夢と希望と共に走ることを目的に、花博記念公園で毎年5月に開催される大会だ。公園内に設置された1周1.2キロの周回コースを午前10時から5時間、チームを組んでタスキをつないで走り続けるもので、障がいの有無や体力に関係なく各々自分のペースで走るイベントであった。当然ながら順位は付かない。

大会の参加資格には「障がい者、健常者、老若男女、赤ちゃんまで誰でも参加できます」とあった。さすがに赤ちゃんは見なかったものの、実に色んなランナーを見た。知的障がい者、視覚障がい者、足こぎ車いす、電動車いす、杖を使って周回する人。全力疾走する若い陸上部系ランナーもいる。共通しているのはみんな楽しそうに走っていることだ。

僕の役割は、所属するチームで知的障がい者ランナーの伴走をすることだった。ランナーの1人そうちゃんは、最近10キロの大会で50分切りを達成したチーム切っての健脚だ。そうちゃんは出だし快調だが、気まぐれに速度が落ちてはまた速度を上げる。この上げ下げについて行くのは走力に自信のある僕でも結構大変だ。

そうちゃんが急に立ち止まって後ろを見るので、何かと思って振り返ると、結び目がほどけたタスキが地面に落ちていた。そうちゃんはタスキを自分で拾えないようだ。僕が代わりに拾って結び目を作り直し渡してあげると、何事もなかったかのように軽快に走り始める。靴の紐もそうちゃんは自分で結べない。ほどけた方の足を差し出してくるので、丁寧に結んであげる。そんなことをしているうちにそうちゃんのことが少しずつ分かってくる。

正午を過ぎた辺りからそうちゃんも疲れたようで、タスキを受け取って200メートルもしないうちに「休憩する!休憩!」と言い出す。ノルマは3周であったが無理をさせないよう1周で止めて給水させた。
そうちゃんと伴走していると、走ることの喜びが少しずつ沸き上がる。胸がときめくような感覚が心地よかった。横にいるそうちゃんも同じことを感じているのか、そんなことを考えながら、共に生き、共に走るということの意味が少し分かったような気がした。あっという間の5時間であった。

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