認知症患者 金融資産200兆円 マネー資産 凍結リスク
(2018年8月26日 日経)
日本経済新聞(会員限定)
「タンス預金」とともに、認知症、とくに身寄りがない方の金融資産については、その実態把握が難しいとされています。
日経の記事も第一生命研究所の試算です。
そもそも、要介護度は数値化されていますが認知症に特化しての区分はされていらず、介護度を決定するときの要素の1つです。
要介護1ではっきりしている方もいれば、要介護3でもそうでない方もおり、特養の入所の際には、判断材料の1つとなります。
また、金融庁によりますと、「金融資産」の定義も曖昧であり、預金と考えても、その預金はメガバンクであってもその合算などには個人情報などの壁がありますし、郵貯や信用組合などを加えればなおさらです。
(現在の消費税収入はこの200兆円の1割ほど)凍結リスクについて説明します。
現在は10年間出し入れがなかった場合、その口座は休眠口座とされ凍結されます。ただし、ご本人、もしくは相続人が申し入れればそのお金は戻ってくるはずです。5000万円を銀行に保有の高齢者の方が、75歳で認知症になり、別の口座が普段は使われていた場合、定期預金感覚(これが多いと思われる)5000万円口座は資金が動かされないまままた、場合によっては家族も知らないまま、凍結されます。前述した通り、相続人がいれば相続できますが、本人がそれを家族に知らせておらず、また不幸にも通帳などが発見されなかった場合、そのお金は国庫に入るなどの処理となります。
ちなみに休眠口座に関しては、凍結になるが、9年間出し入れがなかったときに、口座開設時に登録した住所にまず連絡が行きます。
しかし、引っ越すたびに銀行の登録住所を変更していない方もかなりいるのではないかと推測します。
こうした「流通してないお金」がかなりあると思われます。
国庫に入るならまだしも、身寄りがない方の場合、そのお金がどうなるのか不透明です。
時々よからぬ話が報道されます。認知症はある日突然なるというより、少しづつ症状がでることが大半でしょうから、まず自分や周囲がそのことに気がついたら、成年後見人制度の利用などを考えたほうがいいでょう。
今の制度では、成年後見人がいない場合、どんなにに認知症が進んでいても、第三者が本人を連れて銀行窓口に行き、本人が承諾すれば(騙されていてもその証明は難しい)お金は引きだされてしまいますし、その回収は難しいでしょう。超高齢化社会。
何かしらの対策が必要です。