日本の女性の政治参加は、先進国としてはあり得ないほど低い世界123位。
これをなんとかしなければいけないという声がようやく永田町でもあがり始めています。
閣僚の数(割合)の前に、まず議員数(割合)からですね。国政も地方も女性議員は本当に少ないと思います。女性議員が1人もいない自治体も存在します。しかし、女性の政治参加、社会参加がはたしてできるような環境でしょうか?最近は首を傾げてしまうことが多いです。
6月28日イギリス時間夜「日本の秘められた恥」JapansSecretShameというドキュメンタリー番組がBBC Twoで放映されました。
この日はワールドカップの予選試合の日だったので(イングランド敗退)その放映後、その流れで視聴した人が多かったようです。波紋が大きいのはそんな偶然もありました。
「日本では、女性がこんなに虐げられているのか!」「性犯罪対策はどうなっているのか」などの感想が多かったようです。
日本で誤解されているのは、問題となったのは、番組で取り上げた伊藤詩織氏の個人事案ではなく、伊藤氏を通じて番組が伝えた日本における性犯罪意識策や女性蔑視なんですね。このことに驚いた人が多かったのです。
刑事訴訟については一定の判断が下りており、現在は民事訴訟係属中ですので、このことには配慮が必要です。
私は、「被害を訴える女性」いわば告発者が、日本では、それ(告発)を理由に酷い仕打を受けることに対して懸念を抱いています。
番組内の描写では、日本ではレイプ被害を訴えると、男性警察官の前で等身大の人形を使ってレイプを再現させられるのか!という驚きもあったようです。
ジェンダーギャップ(男女格差)
これは。国際的な各種データにもはっきり現れてしまっています。
世界経済フォーラムが毎年発表する「ジェンダーギャップ報告書」2017年版では、144ヵ国中、日本は114位。日本より下位は、韓国、あとはいわゆる途上国かイスラム教国です。日本の女性の政治参加も、世界123位と先進国としてはあり得ないほど低い順位です。
「日本の秘められた恥」apansSecretShameの主役は別にいたのでは?
番組放映後から杉田水脈議員(自民党)の発言が問題になっています。まだ民事訴訟係属中の個別案件の原告について、立法府の1員たる議員が公共の場で断定的で否定的なコメントを述べました。杉田議員のその後の発信を見ると「係争継続中」の意識はないようです。刑事での判断が全てだという思い込みですね。
杉田議員は「発言が部分的に切り取られた」と訴えていますが、番組で制作側がインタビュー中の発言が全て流せないのは当たり前です。発言のどこの部分を切り取られても問題ないように発言しなければいけません。(1つの発言を切り取り編集されたならクレームはわかります)
日本の心証をさらに悪くしたのは、番組放映後の一部のコメントです。
#JapansSecretShameなどのハッシュタグのコメント欄には醜悪なリプライが多く寄せられました。日本の各国大使館にも同じことが起きており、一部のこうした行動が日本のイメージを悪くしていると感じます。
まさにこれらのコメントで日本の構造的な問題が浮き彫りになってしまいました。まさに「日本の恥」を世界に知られてしまいました。
国政選挙などで男女の候補者の数をできる限り『均等』となることを目指す法案が成立することは歓迎しますが、女性を取り巻く環境は決していいものではありません。BBCの放送では女性が女性を叩く風潮、それが性被害を訴えている女性であっても容赦しない。しかも、その代表格が女性国会議員だった驚き。まずは身近なところから変えていくことではないかと感じます。
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