さて。よく質問されますので、念のため、私でもわかる基本を説明しておきます。
訴えを起こすとき(被害を訴えるとき)その手段には「刑事」と「民事」があります。
民事訴訟は、人と人、会社と人などの私人の間の紛争を解決するための手続です。 刑事訴訟は、起訴された被告人が犯罪行為を行ったのかどうか、刑罰を科すべきかどうか等について、判断するための手続です。
一連の弁護士らへの大量懲戒請求者960人(弁護士により前後する)へのアクションは
一部を除き「民事」で不当な懲戒請求だとして訴訟提起されています。
提起された訴訟に対して、民事訴訟の被告側は口頭弁論終結前までに同じ裁判の中で、原告を相手方として、訴えを提起することができます。これを「反訴」と言います。懲戒請求者はどこまでわかっているのでしょうか。
裁判は一般人には通い世界の話です。刑事と民事の区別がついていない方も多くいます。
刑事においての「罰金」は国に入ります。個人で損害を賠償して欲しければ、民事訴訟を提起しなければいけません。
あと、民事訴訟法上、訴訟記録は誰でも閲覧できるようになっていて(91条)、極めて例外的に閲覧制限をかけることができます(92条)。刑事ではその仕組みがないため(特に不起訴になった場合)憶測が乱れ飛びます。和解や示談ではことさらです。このことはあまりよくないと個人的には思ってます。(個人情報保護の意味では大事ですが)被告訴人の反論が公にならないからです。
1994年のO・Jシンプソンに裁判では刑事では無罪でした。陪審員は12人中9人が黒人で、シンプソンの最強の弁護団「ドリームチーム」は裁判を巧みに「人種問題」にすり替えました。
刑事で無罪をなぜ民事でひっくり返せたのでしょうか。関係者やご家族の執念です。1枚の写真からシンプソンが事件当日履いていた「靴」という決定的な証拠を発見しました。その証拠をつけつけられたときのシンプソンの動揺(映像あり)
陪審員制度だったため、この映像は決め手となりました。結果、被害者女性の父親に722万5千ドル、母親に127万5千ドルとシンプソンは一生かかっても払えないほどの損害賠償金の支払いを命じられました。
2月23日修正