みやけ雪子タイトル

2011年11月01日

近未来空想雑文 「未来のある日」現在までのまとめ(改定版)

近未来雑文「未来のある日」まとめ(ツイッターにて公表中)


注、この雑文はフィクションであり、作者の許諾なくマスコミに転載・引用することは固くご遠慮申し上げます。ブログに掲載するにあたり修正を加えています。

Aさんは、ある日スーパーに夕食の買い物に行った。普段からAさんは、遺伝子組み換え食品を買わない主義。しかし、野菜売り場に行ってAさんは驚く。食品から遺伝子組み換えの表示が消えてしまっていたのだ。Aさんはネットで見つけた個人経営の農家から購入することにした。


Bさんは怪我で緊急入院をした。すぐに手術が決まったが、場合によっては輸血が必要とのことで同意の署名を求められた。輸血には色々なリスクが伴う。しかも、安価な輸入血液製剤の基準は甘くなっていた。不安を感じたBさんは、自己血での手術を希望。自己血は数日かけての採血が必要なため手術は延期となる。Bさんの怪我は悪化した


Cさんの会社は製造メーカー。最近経営状態がよくない。リストラで人員削減も決まった。しかし、その一方、多くの外国人が雇われ工場勤務となった。Cさんは憤慨するが、外国人を雇わないと「公平な雇用機会」を与えていないとして訴訟になる可能性があるとの会社の説明だった。外国人の人件費が安いこともその理由の一つだった。


喫煙者の吸う権利を阻害しているとTISPO(仮称)は廃止となり、街中の自販機でまた自由にタバコが買えることになった。・・年度厚労省調べで未成年の喫煙率が大幅に上昇。一方、国内大手タバコメーカーは不当に販売スペースを独占しているとして外国政府(メーカー)に訴えられる。


日本の薬の承認の遅さ(ドラッグラグ)は問題になっていたが・・年から審査基準が緩和。海外からの薬の輸入が大幅に増加した。重い病気を患っていたDさんは当初朗報だと思ったが、海外の基準はパスをしているが国内での審査が十分でないことを知り、使用に踏み切るか悩んでいる。また安価な日本製ジェネリック薬品もA国からの訴えで販売が規制され出した。


アメリカの牛肉の輸入緩和が決まった。BSEやそのほかの懸念が再び消費者の間に広がる。日本で禁止されているホルモン剤を使用した牛肉もどんどん輸入されだした。検疫も簡素化され、害虫などの被害も頻発。そして外国輸入品が日本に押し寄せ国内のメーカーは大打撃を受けた。


日本においてすべての公文書を英語でも出すことが義務づけられた。霞が関を含め、地方自治体も2倍の手間暇がかかりてんやわんや。政治家の会見にも通訳が入るようになった。しばらく経つと英語が話せない人は立候補すら難しくなった。


被災地の復興・復旧。地元の企業は復興需要を期待していたが、外国の企業も入札に参加したため、結局地元には当初の予想の半分も発注がされなかった。政府調達についても同じ状況。省庁、地方自治体も外国企業の参入を認めたため地元企業はますます厳しい状況とかなった。


大手自動車会社TはA国で最高の技術を武器に売上を伸ばしていた。しかし、AKFTAの締結後はK国の車と価格差がでたことで大変な苦戦を強いられることになった。Tは関税撤廃を強く政府に求めた。これを放置しておくと会社の存続に関わる大問題だからだ。


経済界の後押しもあり、貿易協定で関税撤廃が実現。Tは瞬く間に最高益を叩き出した。円高もありA国に工場を移転、現地で何万人雇用を生み出した。再選を控えたO大統領は大喜び。一方、J国での産業は空洞化が止まるどころか進み、雇用創出とはならなかった。


国内の競争は激しくなったものの、貿易協定に定められた人の移動で安い労働力を確保したTは、国内の生産量を結果的に伸ばすことに成功した。その一方、日本の厳しい環境規制は外国車に不利なため、規準は大幅に下げられることになった。
 

Eさんは大手新聞社記者。いつものように霞ヶ関の記者クラブに出勤したらすっかり様相が変わっていた。外国の通信社からの訴えで全メディアに記者クラブを開放したとのこと。Eさんは、原稿を書くためプレスセンターの中で場所取りに追われるようになった。


アジアの小国JのN首相は大きな決断をしようとしていた。ある貿易協定への参加。その協定には恐ろしい落とし穴が沢山あったが、N首相にはそうした情報が入っていなかった。数年後、J国はA国の州の一つになり、N首相は州知事に就任していた。公用語は英語になった。


Fさんは急な腹痛で近くの病院に駆け込んだ。外国人らしき医師がでてきて診察をしてくれた。薬をもらい、病院を出たが、症状の説明が伝わったか不安を感じている。資格の相互承認ということで自国で医師免許があれば日本で診療ができることになったということだった。今まで厳しかった日本語の語学試験もレベルが落とされた。


定年退職したGさんは、区の広報誌を楽しみにしていた。色々な区の催し物やサービスの案内があるからだ。しかし、ある日、区民プール閉鎖とのお知らせ。安い区民プールは民間のスポーツクラブの経営を圧迫するからと、A国が訴えたのが理由だった。無料や安価な自治体のサービスは姿を消した。


一回生議員Mは、N首相がある協定の協議に参加表明しようといることを大変危惧していた。この条約には問題や落とし穴が多くあるからだ。しかし、一回生議員にできることは限られている。Mは普段から信頼を置いている首相補佐官にそのことを伝えるべく覚悟を決めた。

A君は地方に住むおじいちゃんおばあちゃんに手紙を書いた。その手紙を出そうと思ったら、もう郵便局は配達をしてくれなくなったのよとママが悲しそうに言った。おじいちゃん達が不便な場所に住んでいるからだそうだ。足が悪いおじいちゃんは郵便局まで行くことができない。

一回生議員Mは、本会議でN首相が依然T協定への協議参加をはっきり言明しないことに違和感を感じた。もう腹は据わっているはずだ。党内外の不穏な動きを察知し、A会議の発直前まで表明しないのかもしれない。阻止をするためにできることが段々限られてきた。

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