みやけ雪子タイトル

2015年07月22日

(三宅雪子のツイキャスインタビュー④)NPO法人自立生活サポートセンター「もやい」 稲葉剛さん

3月6日(金)「三宅雪子のツイキャスナイト」のインタビュー ④です。

(稲葉)
更に今、派遣法を変えようとしています。「一生派遣」と言われていますけれども、ずっと派遣で働かせると。すでに、もう3人に1人は非正規、20代では2人に1人という状況になっていて、将来も見渡せない、先ほど話したように親元からも出られない若者が増えているのに、これ以上非正規を増やして、しかも社会保障を削っていくということになると、社会の持続可能性自体が損なわれていくと思うんですね。

(三宅)
本当、そうですよね。
でも、あのねえ、生活保護もいわゆる障がいもそうですけれども、あの明日にでもですね、自分の身に降りかかるものだという当事者意識、無い方が多いと思うんですよ。
今ね、大企業に勤めていても、リストラに遭って、そして、勤め先が見つからないかもしれない、そして、事故に遭ってね、障がいを持つ可能性だってあると、そういった意味で全てが自分の身に降りかかってくるという当事者意識が本当に無いですよね。

(稲葉)
そうですね。想像力が欠けてきているのでしょうか。

(三宅)
私は不思議なんですけど、えらく皆さん、生活保護に厳しいじゃないですか。
その一方でですね、予算委員会なんか見ているとですね、もちろん皆さん怒ってらっしゃいますよ。
怒ってらっしゃいますけれども、政治家のいわゆるこうした政治と金の問題に、すごくこの生活保護の方々に対するこの異常なほどの厳しさに比べてですね、えらく甘く思われるんですけれども、それどう思われますか。

(稲葉)
そこは対照的ですよね。
もちろん不正受給は良いことではないですし、無くすべきなんですけれど、生活保護の不正受給はご存知の通り、予算ベースで0.5%ぐらいしかないですから...。

(三宅)
そうですよね、0.5ですよね、はい。

(稲葉)
生活保護予算の99.5%は適正に運用されている、適正に使われているっていうことなんですよね。
一方で、政治に使われてるお金はいろいろありますけれども、それが本当に99%以上きちんと使われているのかというと、そこはかなり疑問になりますので、そこはやっぱりきちんとしてほしいと思いますね。

(三宅)
私もマスコミ出身なのでわかるんですけれども、ときどきね来るんですよ、うちの近所の生活保護者はベンツ乗ってるっていうのが来るんですけど、あのそもそもどうしてその方がどうして生活保護なのかわかるんですかっていうところもあるんですけれども、まあねえ、いけないなと思うのはマスコミも探すんですよね、特殊、生活保護の不正受給の問題が取り沙汰されたときに、この0.5%という数字をきちっといわゆる報道せずにですね、まあ、要はおもしろおかしくですね、ベンツ乗ってる生活保護の人いない?みないなことで、要は探すわけですよね。
あの適切に使っていない方を。

(稲葉)
聞いた話ですけれども、生活保護のバッシングが激しかったときに、あるテレビ局が生活保護の支給日にお金を貰ったままパチンコ屋に入っていく人の絵を撮りたいというので、生活保護の利用者に声をかけて、そのままそのパチンコ屋さんに入ってくれればお小遣いあげますよ、と声をかけていたという...。

(三宅)
ああ、それ酷い話ですね。
はい、まあね、絵になるものがほしいんですよね。

(稲葉)
最初からそういう絵を撮るって決めて、番組を作っているようなことがありますから。

(三宅)
まあだからパチンコに行ってる、それも多いんですよ、あのさっきのベンツの話のようにパチンコの1軒行ってる、けしからんというのも本当に多いんですよ。
じゃあまあ、例えばですね、ええあの、原本の中のポイントは、やっぱり人間的な文化的な生活ってところですよね。
文化的な生活ってところに、何が入ってくるのか、じゃ、本を買うことも入ってくると思いますし、まあいろんなことが入ってくると思います。
ええ、もちろんパチンコをかばうわけじゃないんですけれども、仮に、仮にですよ、1000円だけ1ヶ月に1辺、支給日にですね、1000円だけパチンコをするのがもうこれだけが唯一の楽しみだっていう方、まあ例えばそういう方が仮にいたとしましょう。
それもけしからんというような、本当にですね、生活保護を貰っている人は食費と必要経費以外はもう使うことはまかりならんみたいな、日本住民が最近ですね、警察官になったんじゃないかという風に私感じるんですけど、やな傾向だなと、パパラッチとですね、パパラッチと警察官ばっかりになっているように思えるんですけれども。

(稲葉)
『生活保護から考える』という本を岩波新書から以前出させていただいたんですけれども、その中でも書かせていただいたんですが、自民党の世耕さんという議員さんが人権制限論を週刊誌で唱えられていて...。

(三宅)
え、何をですか。

(稲葉)
生活保護を厳しくすべきだという意見の中で、税金からお金を貰っている人、税金から拠出してる制度を利用している人は人権を制限していいんだと主張しているのですが、これは非常に危険な論理だと思っていて、社会保障の制度の中で、税金からお金が出ている制度って結構あるんですよね。

(三宅)
そうですよね、はい。

(稲葉)
児童扶養手当もそうですし、あるいは年金や医療保険だって一部は税金からお金が出ていますから。
ですから、その税金が投入されている制度を利用している人に人権を制限していいんだということになってくると、適用範囲がドンドンドンドン広がってくるということになって、結果的に多くの人の首を絞めるということになりかねないなと思いますね。

(三宅)
そうですよね。
本当そうですね。
あのね、その不正受給に対して、私も生活保護のチームの会議に出ておりましたけれども、民主党時代ですね、まああの、だいたい医療費が5割以上ですか。
たいへん多いですよね、医療費が。

(稲葉)
はい、約5割です。

(三宅)
えーと、この医療費の場合は、あのごめんなさいね、電源が切れそうなので、ちょっと今スイッチを付けます、ご本人だけの問題ではなくて、要は病院側もですね、この人は、ごめんなさいね、電源を付けます、えっと、医療費がただだから、ということで、必要以上の薬を出したりとかですね、えーそういったところが...。

(稲葉)
精神科の治療で薬漬けにしたりとかですね...。

(三宅)
ま、言葉悪いけど、ほかの方の薬を貰っているとか...。

(稲葉)
医療機関側の問題で今、厚労省もチェックを始めてますけれども、きちんとそちら側を規制していく必要はあると思いますね。

(三宅)
、かと言って出来るだけね、ジェネリックをということで今なっているわけですけれども、んーまあ、私も最近ジェネリックなんです、ほとんど。
安いですよ、とにかくジェネリックは。
ですけれども、まあね、ジェネリックについてもね、あのこれを強制することがどうなのかなと思いますし、まああの、それでだいぶ社会保障費がね削減されるんだと思いますけれども、ただ本当に今、話戻しますけれども、たいへんその不正受給の大きな割合である医療費ですね、これは支給者の問題っていうよりは、どちらかというと病院側の問題っていうのも非常に大きいと思います。
ですから、受給者ばかりを責めるのではなくてですね...。

(稲葉)
特に精神科の入院、社会的入院の費用っていうのも結構かかっていますね。先ほどの話とも関係しますが、障がいをお持ちの方が地域の中で暮らせるような住宅が整備されていない、なかなか地域の中で暮らせない中で、社会的入院という形で病院に囲い込むことが行われていて、その結果、医療費が増えるという悪循環になっていますね。

(三宅)
はい、本当そうですよね。
まあそういうことで生活保護のほうは今161万世帯ということで、本当に今増えてきて、今後、これ〜、今後またこれを受けて、水際作戦みたいなことが本当行われないでほしいと思いますし、ただ、やっぱり一方ですね、あの社会保障、特に福祉サービスは、本当に地域差ありますよね。

(稲葉)
はい。

(三宅)
この地域差のね、山井さんなんかとも民主党のね、この地域差のことついて話するんですけれども、地域主権で、これ民主党時代の話なんですけどね、これちょっとね、福祉サービスだけはね、地域主権は反対なんですよ、私は。
というのは、ちょっと言いにくいですけれども、首長もやっぱり選挙があるわけですよね。
そうしたときに、福祉っていうのは、本当にこういうことを言うのは嫌なんですけれども、票にならないって言われているわけですよね、一般的に。
そういったときに、首長さんにとってはですね、道路を造ったりとかですね、橋を建てたりとかしたほうが、いいという風に考えてしまう方も私いらっしゃると思うんですよ。
ですから、これね、東京都内であっても、福祉サービスは本当に大きな違いが出てきています、首長さんによって。
え〜、ですから、私はですね、福祉サービスは、国がね、ある程度監視していかないとですね、いけないと本当思っております。

(稲葉)
生存権、生活保護は特にその筆頭ですけれども、健康で文化的な最低限の生活を保障するということは、国全体でやっていただかないと、地域に任せてたならば各地の自治体の財政状況も厳しい中で、真っ先に切られていくってことになりかねないですね。

(三宅)
そうですね。
あの財政状況が本当に今違いますので、えー、やっぱりあの、これ障がい者手帳でさえそうなんですけれども、取りやすいところ、取りにくいところ、生活保護もですね...。

(稲葉)
あってはならないことですが、地域によって対応に差が出ていますね。

(三宅)
まあですから、そこはね、国がきちんと見ていかなければいけないと思うんですけれども、その国がですね、あの生活保護を削っていこうというような方針の方がね、今お名前が出た方も含めているわけで、本当にこれね、嘆かわしいという風にあの思います。
まあね、一部...。

(稲葉)
私たちは貧困対策の拡充を求めて、国会に対しても様々な働きかけをしていますが、残念ながら社会保障に熱心に取り組む議員さんが、選挙がある度に減ってきているという状況があって、もっと社会保障問題に取り組む人が増えればなぁというのは常々感じております。

(三宅)
はい、そうですよね。
はい、ごめんなさい、だいぶ時間オーバーして45分となりましたけれども、まあ本当にですね、社会保障については私も心配しております。
またね、稲葉さんにちょくちょくご連絡を取らせていただいて、あの、私も出来るだけお手伝いをしていきたいなという風に思っておりますので、今後ともぜひね、よろしくお願いいたします。

(稲葉)
こちらこそよろしくお願いいたします。

(三宅)
またぜひね、このナイトインタビュー、番組というにはおこがましいんですけれども、ぜひね、ご出演いただけたらあのありがたいなと思います。
そして、私にとって、最後の砦みたいな方ですから、昨日はね、三留さんにも、三留洋子さんに出ていただいたんですけれども、昨日はね、派遣の問題などをしました。
今日は本当にね、ありがとうございます。

(稲葉)
こちらこそありがとうございました。

(三宅)
あのいろんな幅広い話題をお話、ご意見伺えまして、本当にありがとうございました。
ではまた、今後ともよろしくお願いいたします。

(稲葉)
よろしくお願いいたします。

(三宅)
はーい、では失礼いたします。

(稲葉)
はい、失礼します。


(三宅)
はい、ということでですね、今日は自立生活サポートセンター「もやい」の稲葉剛さんに電話でインタビュー、意見交換等させていただきました。
ええ、本当にね、すみません、冒頭数字間違えてしまって、161万ということですね、はい、申し訳ございませんでした。
本当にこの問題は、私たち本当にですね、身近な問題だと思います。
本当、身近な問題だと思いますので、ただ、本当にね、当事者にならないとわからないという方がやっぱり多いんですよね。
まあ、当事者になってみて初めてわかるということを、本当に想像力の無さということをおっしゃっていましたけれども、稲葉さんが、そういうこともあるのかなという風にあの思います、はい。

以下略

協力:hamousa さま

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