社会労働委員会 昭和五十一年五月十三日
○国務大臣(長谷川峻君) ただいま議題となりました身体障害者雇用促進法及び中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
身体障害者及び中高年齢者につきましては、先般来の不況の中で、その雇用の確保が大きな問題となっているところであり、また、今後におけるわが国の経済情勢と労働力の高齢化等を考慮いたしますと、これらの対策を抜本的に強化することが必要であります。
まず、身体障害者の雇用対策の拡充強化につきまして御説明申し上げます。
身体障害者の雇用対策につきましては、身体障害者雇用促進法による雇用率制度を中心として、その雇用の促進に努めてまいりましたが、同法施行以来十五年余を経過した今日におきましても、身体障害者の雇用の現状はいまだ十分ではなく、雇用率未達成の事業所は四割に近く、大規模事業所ほど雇用割合が低い状況にあります。
このような情勢に対処するため、事業主に対する身体障害者の雇用義務の強化、身体障害者雇用納付金制度の創設等によって、身体障害者の雇用対策を飛躍的に拡充することとし、次のように身体障害者雇用促進法の一部を改正することといたしました。
第一に、すべて事業主は社会連帯の理念に基づき身体障害者の雇用に関して共同の責務を有することを明らかにするとともに、身体障害者自身も職業人としての自覚を持ち、自立に努めるべきであるという原則を明らかにすることといたしております。
第二に、身体障害者雇用率制度につきまして、現行の努力義務を改め、事業主は、雇用率以上の身体障害者を雇用しなければならないこととするとともに、重度障害者の取り扱い等についても改善を図り、あわせて身体障害者の雇用に著しく消極的な事業主を公表する制度を設けることといたしております。