児童養護施設内で起きた性的虐待事件を内部告発するために京都市児童相談所(児相)の相談記録を持ち出すなどしたことが不正な行為だとして、市から停職処分を受けた男性職員(48)が、市に対して懲戒処分の取り消しを求めた訴訟の判決が8日、京都地裁であった(京都新聞8月8日)
この裁判の代理人を務めた塩見卓也弁護士に9日インタビューしました
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塩見卓也弁護士は京都弁護士会所属で、2016年の仁和寺の元料理長が原告の349日連続勤務の過重労働で慰謝料などを求めた裁判での勝利判決などでも知られている高名な労働弁護士のお1人です。59期。まだ45歳なんですね。
公益通報制度について「不正を正すために声を上げる人が守られる制度になってほしい」と語る原告の男性(8日午後2時40分、京都市中京区)
児童養護施設内で起きた性的虐待事件を内部告発するために京都市児童相談所の相談記録を持ち出すなどしたことが不正な行為だと、市から停職処分を受けた男性職員(48)が、市に対して懲戒処分の取り消しを求めた訴訟の判決が8日、京都地裁であった。藤田昌宏裁判長は「不当な動機や目的が認められず、市の処分は裁量権を逸脱して違法」として、市に懲戒処分を取り消すよう命じる判決を言い渡した。(京都新聞)
この判決に同業の弁護士らからも多くの賞賛の声。
性的虐待事件は2014年8月。施設長が逮捕されたのは2015年9月です。そして、男性職員が通報したのは2015年の3月と10月。処分があったのはこの年の12月です。
塩見卓也弁護士は、こう語っています。
「(男性職員は)自分がやった行為が正しかったと認められて喜んでいます」
「(男性職員)本人からすれば問題点を隠蔽される恐れがあって(資料を)持って帰る必要がありました。外部通報窓口は京都市が委託しており(男性職員の)名前を市に伝えるなど信頼ができず原告男性がバックアップを取っていたのは自然な行為といえます。処分は不当であり、今回の判決でそれが認められました。」
男性は、職員の守秘義務に違反するなどして2015年12月、停職3日の懲戒処分をうけていました。
京都市は、この判決を受けて「控訴する方向」とコメントを出しています。